AI+(エーアイプラス)とは|溝口勇児氏率いるグループが2026年に開講したAIスクール
AI+(エーアイプラス)は、WEIN/BACKSTAGE Groupが2026年に開講した、個人向けのオンライン生成AIスクールです。受講期間は3ヶ月で、オンライン完結。「3ヶ月でAIを本格的に学び、即戦力人材へ」を掲げています。
同グループは、格闘技イベント「BREAKING DOWN」、経済エンタメ番組「REAL VALUE」、報道メディア「NoBorder」などを手掛けるエンターテインメント企業です。2026年1月のプレスリリースで、AI+を含む3つの教育事業を一斉に展開すると発表しました。AI+はその一角にあたります。
対象は非エンジニアを含むビジネスパーソンで、AIリテラシー講座にとどまらず、案件獲得や社内でのAI推進ができるレベルまで引き上げることを目標に据えています。
運営会社は株式会社BACKSTAGE
ここは正確に押さえておく必要があります。公式サイトのフッターには「主催 株式会社AI PLUS」「運営会社:株式会社BACKSTAGE」と併記されていますが、特定商取引法に基づく表記に事業者として記載されているのは株式会社BACKSTAGEです。
項目 | 内容 |
|---|---|
事業者の名称 | 株式会社BACKSTAGE(サービス提供会社) |
代表者 | 代表取締役 溝口勇児 |
所在地 | 〒105-0014 東京都港区芝二丁目2番12号5階 |
電話番号 | 050-8894-3377 |
設立 | 2022年(グループ表記では2022年4月) |
つまり、受講契約の相手方はBACKSTAGEです。なお「株式会社AI PLUS」については、法人番号公表サイト等で法人としての実体を確認できませんでした。契約前に、誰と契約するのかを個別相談の場で確認しておくことをおすすめします。
講師陣の経歴
公式サイトには3名の講師が掲載されています。
溝口勇児氏(CEO)
2012年に株式会社FiNC Technologiesを設立し、代表取締役社長CEOに就任。総額150億円超の資金調達を実施しました。2019年12月に同社の代表取締役社長を退任しています(グループの採用サイト表記。プレスリリースでは2020年3月末退任と記載されており、公表資料により時期に差があります)。その後、2022年に株式会社BACKSTAGEを創業しました。
小澤昂大氏(CTO)
慶應義塾大学でUIデザインを研究。複数のメガベンチャーでエンジニアを経験後、2018年にRINACITAを創業し、累計5,000万円の資金調達を実施。2022年にBACKSTAGEを共同創業しCTOに就任しています。
川端一成氏(CAIO)
東京大学大学院修了後、大手メーカーで半導体・画像解析の研究開発に従事。米国でAI×センサーの新規事業を推進した後、自動運転スタートアップでVPとしてAI・データ事業を統括。2025年にCAIOとして参画しています。
経歴自体は公開情報から確認できます。ただし、この3名が実際にどの講義をどの程度担当するのか、公式サイトからは読み取れません。動画講義の配信という記載はあるものの、具体的な担当範囲は明示されていないため、個別相談の際に確認しておきたい点です。
AI+の料金|3ヶ月798,000円(税込)の一括払い
AI+の受講料は、798,000円(税込)です。受講期間は3ヶ月、一括払いが基本プランとなります。
注意すべきは、この金額が公式サイトには掲載されていないという点です。特定商取引法に基づく表記の「商品の販売価格」欄も、「各商品・サービスのご購入ページにて表示する価格」とあるのみで、具体的な金額は示されていません。金額を知るには、公式LINEから「無料ロードマップ作成会」に申し込み、個別相談を受ける必要があります。
この798,000円という金額を、他のスクールと並べて見てみます。
スクール | 料金(税込) | 期間 |
|---|---|---|
AI+ | 798,000円 | 3ヶ月 |
生成AIスクールの一般的な相場 | 10万円〜30万円程度 | スクールによる |
バイテック生成AI | 178,000円〜(買い切り) | 無期限 |
CodeCamp | 198,000円〜 | コースによる |
SHIFT AI | 月額21,780円/生涯547,800円 | サブスク・買い切り |
生成AIスクールの相場を10万〜30万円とすると、AI+はその2.6倍〜8倍にあたります。3ヶ月で割ると、月あたり266,000円です。
なお、同じWEIN/BACKSTAGE Groupが運営する起業家向けスクール「REAL VALUE ACADEMIA」の受講料も798,000円で、同額です。
価格が高いこと自体が悪いわけではありません。ただし、その金額に見合う成果が得られるかを判断する材料が、現時点では公開されていないのが実情です(後述)。
支払い方法とショッピングローン
特商法ページによれば、支払い方法は次のとおりです。
- クレジットカード
- 口座振替
- 銀行振込
- ショッピングローン(3回〜36回の分割、審査あり)
分割払いには、クレジット会社ごとに定められた分割手数料が発生します。また、後払い決済を選んだ場合は購入金額の6%が決済手数料としてかかります。
798,000円を36回払いにすると、単純計算で月額約22,000円です。ここに分割手数料が上乗せされるため、総支払額は798,000円を上回ります。
月額の提示に引きずられないでください。契約するのは「月2万円」ではなく「総額80万円超」です。分割手数料を含めた総支払額を、必ず書面で確認してください。
返金保証の実際の条件
「返金保証あり」という表現を目にすることがありますが、公式FAQに記載された条件は非常に厳格です。返金を受けるには、以下をすべて満たす必要があります。
- 入会後に実施されるすべての面談に全時間参加していること(遅刻・早退を一切していないこと)
- 1週間に5日以上、講義動画の視聴および課題の提出を継続して行っていること
- 講義動画の視聴率(実践課題の提出を含む)が90%以上であること
- 満足度アンケートへの回答率が100%であること
- 返金申請後から承認までの期間、および返金承認後において、2か月目以降に該当する一切のサービス(講義、質疑応答サポート、イベント参加、コミュニティ参加等)を受けていないこと
加えて、特商法ページの「不良品について」には、効果が発生しないことを理由とした解除には応じられない旨が明記されています。
整理すると、これは「学習に全力で取り組んだうえで、それでも満足できなかった人」を想定した制度であり、「受けてみたが内容が合わなかった」を理由に返金を受けられる制度ではありません。面談に1回遅刻しただけで条件から外れます。
798,000円という金額に対して、「返金保証があるから、まず試してみよう」という判断は、この条件の下では成り立たないと考えるべきです。
中途解約しても支払い義務は続く
さらに重要なのが、中途解約に関する条項です。特商法ページには次のように記載されています。
「サービス受講期間は3ヶ月であり、やむをえない場合(重大かつ回復困難な疾病の罹患、天災地変の発生等)は途中解約は可能であるが支払い義務は継続されるものとする。」
読み違えないように整理します。重大な病気や災害に見舞われた場合でも、途中で受講をやめることはできるが、798,000円の支払い義務は残るという内容です。
ショッピングローンを組んでいた場合、受講をやめた後も返済が続くことを意味します。契約前に、この条項を自分の言葉で説明できるレベルまで理解しておく必要があります。
AI+のカリキュラム|3ヶ月で何を学ぶのか
公式サイトによれば、カリキュラムは「基礎 → 選択式応用 → 実践」の3ステップで構成されています。
基礎講座では、生成AIの仕組みとプロンプト設計を学びます。AI・プログラミング未経験者を想定した設計です。
選択式の応用講座では、次の4テーマから自分のキャリアに合わせて選択します。
- AI生成画像
- LP(ランディングページ)制作
- 作業自動化
- AIチャットボット
実践講座では、これらを統合してポートフォリオを完成させます。公式サイトは「誰でも実用性の高い生成AIポートフォリオを完成させ、案件獲得・社内でAI推進できるカリキュラムを提供」と説明しています。
ただし、講義本数、総学習時間、各講座の具体的な内容は公開されていません。同グループの別スクールで「動画200本以上」という告知と実態の乖離が問題になった経緯(後述)を踏まえると、契約前にコンテンツの分量を書面で確認しておくことを強くおすすめします。
AI+のサポート体制
公式サイトが挙げるサポートは次の5つです。
- 専属マネージャー — チャットでの相談受付、指導、遠隔面談
- 定着支援サポーター — 学んだ内容を実務に落とし込むフェーズの伴走
- AI溝口/AIコーチ — 溝口氏の思考を学習させたAIによる相談機能
- コミュニティ — 受講生同士の交流
- 講師陣イベントへの参加
加えて、キャリア支援として、WEIN/BACKSTAGEグループ企業や会員企業「リアルバリュークラブ」への連携が挙げられています。ただし公式サイト自身が「修了後のスキルや適性に応じて当社の採用選考にお声がけする場合があります。ただし採用を保証するものではありません」と注記しています。
サポートの設計思想としては手厚い部類に入ります。一方で、これらが実際にどう機能しているかを示す第三者の証言は、開講から日が浅いため見つかっていません。
なお「AI溝口」に類する機能については、同グループの別スクールで「入学から1ヶ月経っても試せないまま」という受講生の指摘が報じられています。機能として提供されているかどうかは、個別相談で確認してください。
AI+は怪しい?|指摘されている3つの論点を検証
「AI+ 怪しい」という検索候補が表示されます。AI HACK編集部として、確認できる事実に絞って整理します。結論を先に述べると、スクール自体は実在し、運営法人も特商法表記も存在します。ただし、契約条件と関連スクールの経緯には注意が必要です。
論点1:開講直後で第三者の口コミがほとんどない
AI+は2026年に開講したばかりです。修了生による具体的な成果報告や、利害関係のない第三者による受講レビューは、現時点でほとんど蓄積されていません。
公式サイトには「未経験から動画クリエイティブを担当し、AIアバターを担当する事業責任者に」という成長ストーリーが掲載されていますが、実名や詳細な経緯は公開されていません。
肯定的な評価の多くは、公式情報か、紹介報酬が発生するアフィリエイトメディアから発信されています。この記事を含め、情報源の利害関係を確認したうえで読むことをおすすめします。
論点2:798,000円という金額が公式サイトに書かれていない
受講料798,000円は、公式サイトにも特商法ページにも記載がありません。個別相談を経なければ金額がわからない設計です。
これ自体が違法ではありません。ただし、80万円近い商品の価格を知るために相談の場に出向かねばならない構造は、その場で契約判断を迫られるリスクを伴います。相談は情報収集と割り切り、即決しないことが重要です。
論点3:同グループの別スクールで景表法違反疑惑と全額返金騒動
2026年3月、同じWEIN/BACKSTAGE Groupが運営する起業家向けスクール「REAL VALUE ACADEMIA」(受講料798,000円)をめぐり、募集時の説明と実態の乖離が指摘されました。
報道および運営側の声明から確認できる事実は次のとおりです。
- 「第一期は50名限定」と告知していたが、実際の参加者は140人規模だった
- 「200本以上の講義動画」と告知していたが、実際に用意されていたのは13本程度だった
- 「溝口氏の思考を学習したAIから24時間アドバイスを受けられる」とされた機能が、入学から1ヶ月経っても利用できない状態だった
これに対し、REAL VALUE CONFERENCE CEOの福谷学氏がX上で声明を発表。「50名限定」という告知と実際の参加人数、動画コンテンツ数に関する表現、一部サービスの提供状況について、説明と実態に乖離があったことを認め、謝罪しました。そのうえで、希望者には理由を問わず全額返金に応じると発表しています。
AI+とは別のスクール・別法人の事案です。ただし、同じグループのマーケティング姿勢を示す事例として、検討材料に含める価値はあると編集部は判断しました。
編集部の結論
確認できた事実を整理すると、次のようになります。
- AI+は実在するスクールであり、運営法人も特商法表記も確認できる
- 講師陣の経歴は公開情報と整合する
- 一方で、受講料798,000円は公式サイトに記載がなく、返金条件は極めて厳格、中途解約後も支払い義務が残る
- 同グループの別スクールで、表示と実態の乖離を運営側が認め、全額返金に至った事案がある
したがって編集部の見解は、「詐欺的なスクールと断じる根拠はないが、80万円という金額に対して契約条件が受講者に厳しく、グループのマーケティング姿勢に指摘がある以上、他のスクール以上に慎重な確認が必要」というものです。
「有名人が関わっているから安心」も、「怪しいから論外」も、どちらも判断としては雑です。確認できる事実と自分の目的を照らし合わせてください。
AI+をおすすめできる人・できない人
おすすめできる人
- AIを実務で使いこなす明確な目的があり、自分から手を動かせる人
- 3ヶ月間、週5日以上の学習時間を確保できる人
- 798,000円を、生活に影響を与えずに支払える人
- 契約条件(返金条件・中途解約条項)を理解したうえで、それでも内容に価値を感じられる人
- 開講直後で実績が未知数であることを、リスクとして受け入れられる人
- 伴走型のサポートを重視する人
おすすめできない人
- 「返金保証があるから、合わなければやめればいい」と考えている人(返金条件は極めて厳格で、中途解約後も798,000円の支払い義務が残ります)
- ショッピングローンを組まなければ払えない人(受講をやめても返済は続きます)
- 料金を知らないまま、その場の勢いで契約してしまいそうな人
- 「創業3年で平均月商10億円」という企業の実績を、自分が稼げる根拠と結びつけてしまう人
- 「残りわずか」「今だけ」といった訴求に弱く、即決しがちな人
- 学習時間を週に数時間しか取れない人(返金条件は週5日以上の学習を前提としています)
- 趣味の範囲で軽くAIに触れたいだけの人
- 修了生の実績を確認したうえで判断したい人(現時点では公開されていません)
- 同じ予算で複数のスクールを比較検討したい人(798,000円は生成AIスクールの相場の2.6〜8倍です)
AI+の受講前に必ず確認すべき5つのこと
個別相談に進む場合、以下は必ずその場で確認し、可能なら書面で受け取ってください。
1. 分割手数料を含めた総支払額はいくらか
受講料は798,000円ですが、ショッピングローンを使う場合は分割手数料が上乗せされます。月々の提示額ではなく、総額を書面で確認してください。
2. 中途解約した場合、支払い義務はどうなるか
特商法ページには「途中解約は可能であるが支払い義務は継続される」とあります。この解釈を、営業担当の口頭説明ではなく、契約書のどの条項に基づくのかを確認してください。
3. 返金保証の5条件を満たせる生活が送れるか
すべての面談に遅刻・早退なしで出席し、週5日以上の学習を継続し、動画視聴率90%以上、アンケート回答率100%。これを3ヶ月間続けられるかを、契約前に自分に問うてください。
4. 講義動画は何本あり、いつ公開されるか
同グループの別スクールで、告知本数(200本以上)と実態(13本程度)の乖離が問題になっています。現時点で視聴可能な本数と、今後の公開予定を明確にしてもらってください。
5. 講師3名はどの講義を担当するのか
溝口氏・小澤氏・川端氏が実際に何時間、どの範囲を教えるのか。動画のみか、ライブ講義があるのか。
そして最も重要なこととして、その場で契約しないでください。「今日申し込めば特典が付く」と言われても、一度持ち帰って冷静に考えてください。本当に価値のあるスクールであれば、数日考えたところで機会を失うことはありません。
AI+の受講開始までの流れ
- 公式LINEから「無料ロードマップ作成会」に予約する — 公式サイトのボタンからLINE友だち追加へ進みます
- 個別相談を受ける — キャリアや学習目的のヒアリングを受け、ここで初めて料金が案内されます
- 持ち帰って検討する — 総額、契約条件、返金・解約条項を確認します。この段階で即決しないことを推奨します
- 申込・支払い — クレジットカード、口座振替、銀行振込、ショッピングローンから選択します
- 受講開始 — 決済確認後24時間以内にLINEで案内が届きます
- 基礎 → 選択式応用 → 実践 — 3ヶ月かけてポートフォリオを完成させます
なお、公式サイトでは「無料ロードマップ作成会」への参加者に12大特典が提供されると案内されています。
まとめ|798,000円に見合うかは、契約条件を理解してから判断すべき
AI+は、溝口勇児氏が代表を務めるWEIN/BACKSTAGE Groupが2026年に開講した、3ヶ月間の実践型オンラインAIスクールです。受講料は798,000円(税込)。
基礎から選択式応用、実践までを段階的に学び、ポートフォリオを完成させるカリキュラム設計と、専属マネージャー・定着支援サポーターによる二重の伴走体制は、打ち出しとしては魅力的です。講師陣の経歴も公開情報から確認できます。
一方で、受講を検討するなら、以下は避けて通れません。
- 798,000円という金額が、公式サイトに一切記載されていない(個別相談でしかわからない)
- 生成AIスクールの相場(10万〜30万円)の2.6〜8倍にあたる
- 返金保証は5つの条件をすべて満たす必要があり、「内容が合わなかった」は返金理由にならない
- 中途解約は可能だが、支払い義務は継続する
- 同グループの別スクールで、表示と実態の乖離を運営側が認め、全額返金に至った事案がある
- 開講直後のため、修了生の実績も第三者の口コミも、ほとんど蓄積されていない
カリキュラムの中身が良いか悪いか以前に、契約条件を理解できているかどうかが、このスクールを検討するうえでの最初の関門です。
個別相談は、契約の場ではなく情報収集の場だと割り切ってください。総額、解約条件、返金条件、講義本数。この4つを確認し、一度持ち帰る。それができる人にとってのみ、AI+は検討に値する選択肢になります。









