自治体向けDX研修の選び方 自治体に適したDX研修を選ぶには、育成すべき人材類型の明確化から始める必要があります。総務省ガイドブックが示す3つの人材類型に基づき、役割別のカリキュラムや実践的なワーク、フォローアップ体制などを確認しましょう。
ここでは、研修選定時に押さえるべき10のポイントを解説します。
育成すべき人材類型を明確にする 自治体DX研修を選ぶ第一歩は、総務省ガイドブックが定義する3つの人材類型を理解し、育成対象と育成比率を決定する ことです。
高度専門人材は、DX戦略策定やシステム実装を主導する役割を担います。DX推進リーダーは、デジタル知識と行政実務の経験を活かし、現場と経営層を橋渡しする存在です。一般行政職員は、導入されたツールを正しく使えるレベルを目指します。
組織規模やデジタル化の進捗に応じて、各層の育成割合を決め、適合した研修プログラムを選定することが成功への第一歩となります。
<3つの人材類型と求められるスキル>
人材類型
主な役割
求められるスキル
高度専門人材
DX戦略策定・システム実装を主導
デジタルツールの目利き・作成能力
DX推進リーダー
現場と経営層の橋渡し
活用・発注能力、プロジェクト推進力
一般行政職員
導入ツールの活用
基本的なデジタルリテラシー
<出典>
高度専門人材向けは外部確保も視野に入れる 高度専門人材は庁内育成が難しく、時間とコストがかかるため、総務省ガイドブックでも外部人材の活用を推奨しています。
外部人材を確保する方法として、民間専門家を職員として採用する、民間との人事交流制度を活用する、外部専門家を補佐官として登用するなどがあります。
小規模自治体は単独での確保が難しいため、近隣自治体との共同確保や都道府県の派遣制度活用 も検討しましょう。
<高度専門人材の外部確保方法>
方法
内容
特定任期付職員
民間企業から即戦力の専門家を採用
人事交流制度
民間企業との人材交流を活用
CIO補佐官登用
外部専門家を顧問的立場で登用
広域連携
定住自立圏・連携中枢都市圏で近隣自治体と共同確保
都道府県支援
専門人材リストからの派遣制度を活用
<出典>
DX推進リーダーは庁内育成を重点的に実施する DX推進リーダーの育成は、庁内での計画的な取り組みが重要です。外部採用よりも、既存職員の適性を発見し集中的に育成する方が効果的とされています。
総務省ガイドブックでは、金沢市が5年で100名、滋賀県が3年で450名、北九州市が3年で2,400名のDX推進リーダーを育成した事例が紹介されています。
多くの自治体が各課に1〜2名の配置を目標に、組織全体へDXを浸透させる戦略を採用 しています。
選抜方法は、庁内公募による手挙げ方式と上司推薦による指名を併用するのが一般的です。
<DX推進リーダー育成の実績例>
自治体
育成期間
育成人数
金沢市
5年
100名
滋賀県
3年
450名
北九州市
3年
2,400名
出典:総務省「デジタル人材の育成ガイドブック」
一般職員向けは全員参加型の基礎研修を選ぶ 一般行政職員向けの研修は、全職員がデジタルツールを正しく使える基礎的かつ網羅的なプログラムを選びましょう。DXは組織全体で取り組むべき課題であり、全職員のデジタルリテラシーを底上げすることが成功の鍵となります。
管理職向けには、DXに対する心理的ハードルを下げ、部下のチャレンジを促すマインドセットの醸成も重要です。
全職員向け研修には、短時間で完結するeラーニング形式や繰り返し視聴できる動画教材が効果的 といえるでしょう。
<一般職員向け研修で押さえるべき内容>
項目
内容
DXの基本概念
DXとは何か、なぜ必要かの理解
住民ニーズの理解
デジタル時代に求められるサービスの把握
ツール操作
基本的なデジタルツールの使い方
データ活用基礎
データの読み方・活用方法の初歩
出典:総務省「デジタル人材の育成ガイドブック」
役割別カリキュラムが用意されているか確認する 効果的なDX研修を選ぶには、職員の役割や階層に応じたカリキュラムが用意されているかを確認 することが重要です。
幹部職層向けには、DX推進における意思決定やリーダーシップ、組織変革のマネジメントに焦点を当てた内容が必要です。
DX推進リーダー向けには、業務プロセス分析・デジタルツールの選定導入・ベンダーとの交渉・要件定義など実務的なスキルが求められます。
一般職員向けには、DXの基本理解や具体的なツールの操作研修が適しています。
<役割別に求められる研修内容>
対象
研修内容
幹部職層
意思決定、リーダーシップ、組織変革マネジメント
DX推進リーダー
業務プロセス分析、ツール選定、ベンダー交渉、要件定義
一般職員
DXの基本理解、ツール操作、生成AI活用方法
出典:総務省「デジタル人材の育成ガイドブック」
実践的なワークが含まれるか確認する DX研修を選ぶ際は、座学だけでなく実践的なワークが含まれているかを確認 しましょう。受講者が自組織の具体的課題を持ち寄り、学んだ手法で解決策を検討し、実行計画まで策定するプロセスが効果的です。
佐賀市のJDXA研修では「DX推進のためのタイムマネジメント」や「周囲を巻き込むコミュニケーション」をテーマに実践的な内容を提供し、満足度90%超を記録しています。
<確認すべき実践的ワークの要素>
要素
内容
ケーススタディ
実際の自治体DX事例を題材にした分析・検討
ワークショップ
自組織の課題を持ち寄り解決策を検討
プロジェクト型学習
実行計画の策定まで行う実践演習
グループディスカッション
他自治体職員との情報交換・好事例共有
出典:一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会
研修後のフォローアップ体制をチェックする DX研修は一回完結ではなく、継続的な学びと実践のサイクルが重要です。研修事業者選定時には、研修後のフォローアップ体制を必ず確認 しましょう。
JDXAの事例では、研修後の継続支援やDXアワードでの成果発表機会を提供し、職員のモチベーション維持と組織内の横展開を促進しています。
一部の事業者はDX人材認定制度の構築支援も提供しており、研修結果を人事評価やキャリアパスへ反映させる仕組みづくりをサポートしています。
<フォローアップ体制のチェックポイント>
チェック項目
内容
質問窓口
研修後も質問できる窓口の有無
フォローアップセッション
定期的な振り返りや追加学習の機会
メンタリング制度
実践サポートや個別指導の仕組み
受講者コミュニティ
継続的な情報交換の場
認定制度支援
人事評価・キャリアパスへの反映支援
出典:一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会
最新テーマへの対応状況をチェックする DX研修を選ぶ際は、生成AIなど最新テーマへの対応状況を確認しましょう。AI技術の進化は速く、半年前の知識がすでに古くなっているケースも少なくありません 。
また、生成AIツールを用いた文書作成・情報収集・データ分析の研修ニーズが高まっています。ノーコード・ローコード開発ツールの研修需要も拡大しており、職員自身が簡単な業務アプリを作成できる体制づくりが進んでいます。
研修カリキュラムの更新頻度や新規講座の追加状況も、事業者選定の重要なポイントです。
<確認すべき最新テーマ>
テーマ
内容
生成AI活用
ChatGPT等を用いた文書作成・情報収集・データ分析
ノーコード・ローコード
職員自身による簡易業務アプリの作成
データ可視化
BIツールを活用したデータの見える化
クラウドサービス
クラウド基盤の理解と活用方法
セキュリティ対策
情報セキュリティの最新動向と対策
出典:一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会
総務省や都道府県の支援制度を活用する 自治体DX研修の選択には、国や都道府県の支援制度を最大限活用 しましょう。総務省自治大学校の「DX推進リーダー育成特別研修」をはじめ、全国の自治体職員が参加可能な公的研修が多数用意されています。
都道府県による市町村支援も充実しています。奈良県の「奈良県地域デジタル化推進協議会」では対等参加型の研修や勉強会を実施し、高知県では市町村支援チームによる伴走支援を提供しています。
無料または低コストで利用できる公的支援を積極的に活用することで、予算制約がある自治体でも効果的な人材育成が可能です。
<活用できる主な公的支援制度>
支援元
支援内容
総務省自治大学校
DX推進リーダー育成特別研修
都道府県
講師派遣、デジタル人材バンク、伴走支援
奈良県
地域デジタル化推進協議会による研修・勉強会
高知県
市町村支援チームによる伴走支援
広域連携
複数自治体での共同研修、人材共同確保
<出典>
研修実績と自治体導入事例を確認する 研修事業者を選定する際は、実際の自治体導入実績と成果事例を確認しましょう。同規模の自治体での事例があれば、導入後のイメージを具体的に描けます。
評価のポイントは、研修後の成果、職員のスキル向上度合い、業務への活用状況 です。
事業者のウェブサイトや導入事例集を確認し、可能であれば先行導入した自治体へのヒアリングも検討してください。
<自治体導入実績のある主な研修事業者>
事業者
導入実績・特徴
JDXA
佐賀市でDX推進員向け研修を実施、満足度90%超
キカガク
神戸市・三重県でDX人材育成、データサイエンス・AI活用に強み
インソース
官公庁・自治体向けDX研修の実績豊富、役割別・階層別プログラム
Schoo
奄美市ほか全国約58自治体と提携、オンライン学習プラットフォーム
出典:一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会
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