AI研修の助成金申請で注意すべき5つのポイント
助成金申請には、事前に押さえておくべき注意点があります。ここでは、不支給を避けるために企業が確認すべき5つのポイントを解説します。
研修開始前の申請が絶対条件
人材開発支援助成金では、研修開始前の計画届提出が必須です。企業は研修開始日の1ヶ月前までに、訓練実施計画届を管轄の労働局へ提出しなければなりません。研修開始後の申請は一切認められず、企業は費用を全額自己負担することになります。
AI研修を検討し始めたら、企業はまず助成金の申請スケジュールを把握しておきましょう。研修開始の2〜3ヶ月前から、準備を始めるのが目安となります。
企業が計画届提出後に研修内容や日程を変更する場合は、変更届の提出が求められます。
研修内容をDX・新規事業展開に合致させる
申請コースごとに、研修内容の要件が定められています。事業展開等リスキリング支援コースは、DX・GX推進や新規事業に必要なスキル習得が対象です。
<対象・対象外の研修例>
対象となる研修 | 対象外の研修 |
|---|
DX推進に関連するAI研修 | 一般的なITリテラシー向上研修 |
業務効率化を目的としたAI活用研修 | ビジネスマナー研修 |
新規事業に必要なスキル習得研修 | 趣味・教養目的の研修 |
企業がAI研修を申請する場合は、カリキュラムにDX推進や新規事業との関連性を明記しましょう。研修内容が要件に合っているか不明な場合は、管轄の労働局へ確認しておくと安心です。
研修は勤務時間内のOFF-JTで実施する
助成金を受けるには、勤務時間内にOFF-JT形式で研修を行う必要があります。企業が残業時間帯や休日に研修を実施しても、賃金助成は受けられません。
<研修形式の対象・対象外>
対象となる形式 | 対象外の形式 |
|---|
勤務時間内の研修 | 勤務時間外の研修 |
OFF-JT(職場外訓練) | OJTのみの研修 |
対面・オンライン・eラーニング | – |
上司や先輩が業務中に指導するOJTのみでは、企業は助成金を申請できません。企業は研修スケジュールを就業時間内に収め、出席記録をきちんと残しておきましょう。
申請期間中は従業員の解雇・退職推奨をしない
受給要件のひとつに、訓練期間中の解雇・退職推奨の禁止があります。企業が違反すると助成金は不支給となり、受給済みの場合は返還を求められることもあります。
企業に労働関係法令への違反があると、助成金の対象外です。企業は、申請前に労務管理体制を確認しておきましょう。
<申請前に確認すべき労務管理項目>
- 就業規則の整備・周知
- 賃金台帳や出勤簿の正確な記録・保管
- 未払い賃金の解消
助成金申請は、労務管理を見直す良いタイミングです。企業は、社内体制の整備も併せて進めておきましょう。
研修の効果測定と記録を残す
研修の効果測定と記録は、支給申請時の重要な証拠書類となります。
<研修中に保管すべき書類>
- 受講者の出席記録・受講履歴
- 修了証明書
- 研修効果報告書(コースによる)
- 受講者アンケート(コースによる)
企業が賃金要件を活用して助成率の上乗せを狙う場合は、訓練前後の賃金比較書類も必要です。
効果測定の記録は、助成金申請だけでなく経営層への報告にも使えます。企業は業務時間の変化や業務品質の向上を、数値と実感の両面で記録しておきましょう。
【FAQ】AI研修の助成金申請に関するよくある質問
AI研修の助成金申請について、企業担当者からよく寄せられる質問をまとめました。ここでは、対象となる研修形式や従業員の範囲、相談先などを紹介します。
オンライン研修・eラーニングでも助成金は使えますか?
オンライン研修やeラーニングでも、助成金の対象となります。
条件は勤務時間内のOFF-JT形式で、10時間以上の研修であることです。eラーニングでは、企業は受講ログや進捗管理の記録を証明書類として提出しなければなりません。
自己学習型や勤務時間外の学習は対象外となる場合があるため、企業は事前に労働局へ確認してください。
パート・有期契約社員もAI研修の助成金対象になりますか?
パートや有期契約社員も、人材育成支援コースなら助成を受けられます。対象者が雇用保険の被保険者であることが、条件です。
<雇用保険の加入要件>
非正規雇用者への訓練には、正規雇用者より高い助成率が設定される場合もあります。人材育成支援コースでは経費助成率60%、賃金助成960円です。
正規雇用者のみが、対象のコースもあります。企業は申請前に、各コースの要件を確認しておきましょう。
IT導入補助金やものづくり補助金でもAI研修費用を賄えますか?
IT導入補助金やものづくり補助金では、研修単独の費用補助は受けられません。IT導入補助金はITツールの導入支援が目的のため、研修のみでは申請できません。
ただし企業がITツールを導入する際、付随する操作研修は補助対象になる場合があります。ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金も、同じ扱いです。
企業がAI研修の費用支援を確実に受けたい場合は、人材開発支援助成金が向いています。要件を満たせば、企業は原則受給できます。
AI研修の助成金申請が不安な場合、どこに相談すればいいですか?
申請手続きに不安があれば、社会保険労務士に相談するのが安心です。社労士はコース選定から書類作成、労働局とのやり取りまで代行してくれます。企業は手数料を支払いますが、申請ミスや期限超過のリスクを減らせます。
<主な相談先>
- 社会保険労務士
- 管轄の都道府県労働局
- 厚生労働省の公式サイト
AI研修を提供する事業者の中には、提携社労士が申請をサポートするケースもあります。企業は、研修会社を選ぶ際にチェックしてみてください。