ディープフェイク・AI動画の見分け方|7つのチェックポイントと詐欺の手口・対策【2026年】
この記事の要約と結論
ディープフェイクは、まばたき・口と音声のずれ・顔の輪郭・横顔・光と影などを一時停止して確認します
AIの偽音声は、単調な話し方・かみ合わない返答・急がせる言動が見分けるポイントです
Geminiの検証機能・Content Credentials・画像検索を組み合わせると、手がかりが増えます
お金の話が出たら、いったん切って本人の連絡先で確かめることが一番の対策です
SNSで流れてきた著名人の動画や、家族を名乗る人からの電話。「これって本物?」と迷ったことはありませんか。AIで顔や声をそっくりに作る「ディープフェイク」は、だれでも簡単に作れるようになり、詐欺にも使われています。
ディープフェイクを100%見分ける方法はありませんが、目と耳で確認するポイントを知り、「本人に確かめる」習慣をつければ、被害にあう可能性を大きく下げられます。
本記事では、ディープフェイク・AI動画を見分ける7つのポイント、偽の音声を見抜くコツ、ツールで確認する方法、詐欺の手口と対策を解説します。
※本記事のツール情報は2026年10月時点で各社が公開している内容をもとにしています。
ディープフェイクとは?AIで作られた偽の動画・音声

ディープフェイクとは、AIを使って人の顔や声を作り変えた、本物そっくりの偽の動画・画像・音声のことです。AIの学習方法の1つである「ディープラーニング(深層学習)」と、「フェイク(偽物)」を組み合わせた言葉です。
ディープフェイクには、主に以下のような種類があります。
- 顔の入れ替え:動画に映る人の顔を、別の人の顔に差し替える
- 口の動きの合成:本人が言っていない言葉を、話しているように見せる
- 音声のクローン:短い録音から、本人そっくりの声で好きな文章を読み上げさせる
- 動画の丸ごと生成:実在しない出来事や人物の映像を、文章の指示だけで作る
以前は専門的な知識と高性能なパソコンが必要でしたが、今はスマホのアプリやWebサービスで、だれでも数分で作れるようになりました。
\ AI動画を仕事にするなら。完全無料・オンライン60分 /
デジットの無料カウンセリングを予約するディープフェイクが悪用されている3つの例

ディープフェイクは映画や広告などで正しく使われる一方、詐欺や偽情報にも悪用されています。代表的な例を3つ紹介します。
1. 著名人になりすました投資詐欺
有名な経営者や投資家、タレントの顔や声を使った偽の動画広告で、投資話に誘う手口です。広告からLINEなどのグループに誘導され、偽の投資サイトでお金をだまし取られます。
警察庁のまとめ(暫定値)によると、2025年のSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の被害額は約1,827億円で、特殊詐欺と合わせた被害総額は約3,241億円と過去最悪を更新しました(出典:秋田魁新報(共同通信))。
2. ビデオ会議での上司・取引先のなりすまし
2024年には、イギリスの大手設計会社Arup(アラップ)の香港拠点で、社員がビデオ会議に出席した最高財務責任者(CFO)や同僚がすべてディープフェイクだったと気づかず、約2億香港ドル(約2,560万米ドル)を送金する被害が起きました(出典:CNN)。
「ビデオ通話で顔を見て話したから本人だ」という思い込みが通用しなくなっていることを示す事件です。
3. 家族の声をまねた電話
子どもや孫の声をAIでまねて、「事故を起こした」「お金が必要」と電話をかける手口も海外で報告されています。SNSに投稿した動画など、数秒〜数十秒の音声があれば、声のクローンを作れるといわれています。
このほか、災害や選挙の際に偽の動画が拡散されたり、本人の同意なく性的な画像・動画が作られたりする被害も起きています。
ディープフェイク・AI動画を見分ける7つのポイント

まずは、動画そのものを見て確認するポイントを紹介します。スマホの小さな画面ではなく、できるだけ大きな画面で、一時停止やスロー再生を使って確認しましょう。
1. まばたき・目の動き
まばたきの回数が極端に少ない・多い、目線がカメラや相手と合っていないなど、目の動きが不自然な場合があります。左右の目で光の映り込みが違うこともあります。
2. 口の動きと音声のずれ
話している言葉と口の形が合っていない、声だけが先に聞こえるなど、口の動きと音声がずれていないかを確認しましょう。「ぱ」「ま」など、唇を閉じる音で特にずれが出やすくなります。
3. 顔の輪郭・髪の生え際
顔を入れ替えた動画では、顔と首の境目、あごの輪郭、髪の生え際がぼやけたり、ちらついたりすることがあります。顔だけ肌の色や画質が違う場合も注意が必要です。
4. 横を向いたとき・手が顔の前を通ったとき
正面を向いているときは自然でも、顔を横に向けた瞬間や、手やマイクが顔の前を横切った瞬間に、顔が崩れたりゆがんだりすることがあります。
5. 歯・耳・アクセサリーの細部
歯が1本ずつ分かれていない、左右の耳の形が違う、イヤリングやメガネが途中で消えるなど、細かい部分に不自然さが出ることがあります。
6. 光と影の向き
顔に当たる光の向きと、背景や体の影の向きが合っていない場合は、合成を疑いましょう。
7. 背景・文字・物理的な動き
AIで丸ごと作った動画では、背景の人が不自然に消える、看板の文字が崩れている、物が手をすり抜ける、水や布の動きが不自然など、現実ではありえない動きが混ざることがあります。
ただし、最近のAI動画はこれらの不自然さがほとんどないものも増えています。「不自然な点がないから本物」とは判断できないことを覚えておきましょう。画像の見分け方は、AI画像・AIイラストの見分け方で詳しく解説しています。
AIで作った偽の音声を見抜くコツ

声のクローンは、映像よりも見分けるのが難しいといわれています。以下の点に注意しましょう。
- 話し方が単調・息つぎがない:感情の起伏が少ない、息つぎや間(ま)が不自然
- 質問への答えがかみ合わない:決まったセリフは自然でも、予想外の質問には答えられない・返答が遅れる
- 雑音が不自然:周りの音がまったくない、または途中で急に音質が変わる
- 急がせる・秘密にさせる:「今すぐ」「だれにも言わないで」と判断する時間を与えない
最も確実なのは、いったん電話を切り、本人がふだん使っている電話番号にかけ直して確かめることです。
\ AI動画を仕事にするなら。完全無料・オンライン60分 /
デジットの無料カウンセリングを予約するツールでディープフェイクを確認する3つの方法

目や耳での確認に加えて、ツールを使うと手がかりが増えます。主な方法は以下のとおりです。
方法 | 確認できること | 料金 |
|---|---|---|
Geminiアプリの検証機能 | Google AIで作成・編集された画像・動画・音声か | 無料(ログインが必要) |
Content Credentialsの確認 | 作成元・編集履歴・AIの使用の有無 | 無料 |
画像検索(Googleレンズなど) | 元の映像や、最初に公開された場所 | 無料 |
Geminiアプリの検証機能
Geminiアプリに動画や音声をアップロードし、「これはAIで生成されたもの?」と質問すると、Googleの電子透かし技術「SynthID」やContent Credentialsをもとに、AIで作成・編集されたものかを確認できます。動画の場合は、どの部分で透かしが見つかったかも回答されます。
Geminiの公式ヘルプによると、主な条件は以下のとおりです(出典:Gemini アプリ ヘルプ)。
- 一度に検証できるファイルは1つ、100MB以下
- 動画は1本90秒以内、音声は1本1時間以内
- SynthIDで判定できるのは、Google AIで作成されたコンテンツのみ
透かしが見つからなくても、ほかのAIで作られた可能性は残る点に注意しましょう。
Content Credentialsを確認する
Content Credentialsは、コンテンツの作成元や編集履歴を記録する業界共通の規格(C2PA)です。元の動画・画像ファイルがあれば、Verifyなどの確認ツールで、AIが使われたかどうかを確認できる場合があります。
YouTubeでも、C2PAの情報を含む動画や、クリエイターがAIの使用を申告した動画には「改変または合成されたコンテンツ」のラベルが表示されます(出典:YouTube ヘルプ)。動画の説明欄や再生画面のラベルも確認しましょう。
画像検索で元の映像を探す
動画のスクリーンショットをGoogleレンズなどで画像検索すると、元になった映像や、最初に公開された場所が見つかることがあります。過去のインタビュー映像に、別の音声を重ねただけの偽動画も、この方法で見抜けることがあります。
ディープフェイク詐欺から身を守る5つの対策

見分ける技術には限界があるため、だまされない「行動のルール」を決めておくことが大切です。
1. 著名人の投資話は広告から信用しない
有名人が「必ずもうかる」「LINEで特別に教える」と勧める広告は、詐欺を疑いましょう。本人の公式サイトや公式SNSで、同じ発信があるかを確認するのが基本です。
2. お金の話が出たら、別の方法で本人に確かめる
電話・ビデオ通話・メッセージでお金を求められたら、いったん切って、本人の連絡先にかけ直して確認しましょう。会社では、送金の指示を必ず別の連絡手段で確認するルールを作っておくと安心です。
3. 家族で「合言葉」を決めておく
家族だけが知っている合言葉や質問を決めておけば、声をまねた電話でも本人かどうかを確かめられます。
4. 顔や声が分かる投稿を見直す
SNSに公開している動画や音声は、ディープフェイクの材料になる可能性があります。公開範囲を限定する、不要な投稿を消すなど、見直しておきましょう。
5. 怪しいと思ったら相談する
被害にあった・あいそうになったときは、警察相談専用電話「#9110」や、消費者ホットライン「188」に相談しましょう。お金を振り込んでしまった場合は、すぐに振込先の金融機関にも連絡してください。
AIで作られた低品質なコンテンツがネットにあふれる問題は「AIスロップ」とも呼ばれています。背景や見分け方は、AIスロップ(AI slop)とは?意味・具体例と見分け方で解説しています。
AIの仕組みを知ることが一番の対策になる

ディープフェイクを見分ける力は、AIで何ができて、何が苦手なのかを知るほど高まります。実際に生成AIを使ってみると、「この程度の動画なら簡単に作れる」「この部分は崩れやすい」といった感覚が身につき、偽物に気づきやすくなります。
生成AIの仕組みや使い方、著作権・肖像権などのルールを体系的に学びたい場合は、生成AIスクールを利用する方法もあります。料金やカリキュラムは、生成AIスクールおすすめ比較で確認できます。
ディープフェイクの見分け方に関するよくある質問

ディープフェイクを100%見分ける方法はありますか?
100%見分けられる方法はありません。目と耳で確認するポイント、Geminiの検証機能やContent Credentialsなどのツールを組み合わせ、最終的には本人や公式の情報で確かめることが大切です。
無料でAI動画かどうかを確認できるツールはありますか?
Geminiアプリの検証機能(Googleアカウントでログインが必要)、Content Credentialsの確認ツール「Verify」、Googleレンズの画像検索などは無料で使えます(2026年10月時点)。ただし、どのツールも判定できる範囲には限りがあります。
ビデオ通話の相手がディープフェイクか確かめる方法は?
顔の前に手をかざしてもらう、横を向いてもらうなど、AIが苦手な動きを頼むと、顔が崩れて気づける場合があります。ただし、お金や機密情報が関わる場合は、通話を切って別の連絡手段で本人に確認するのが確実です。
ディープフェイクを作るのは違法ですか?
ディープフェイクを作ること自体がすぐに違法になるわけではありませんが、他人の顔や声を無断で使い、名誉を傷つけたり、詐欺に使ったりすると、名誉毀損や詐欺などの罪に問われる可能性があります。肖像権やパブリシティ権の侵害として、損害賠償を求められることもあります。
まとめ

ディープフェイク・AI動画の見分け方のポイントは、以下のとおりです。
- まばたき・口と音声のずれ・顔の輪郭・横顔・歯や耳・光と影・背景の動きを確認する
- 偽の音声は、単調な話し方や、かみ合わない返答、急がせる言動に注意する
- Geminiの検証機能、Content Credentials、画像検索を組み合わせる
- お金の話が出たら、いったん切って本人の連絡先で確かめる
- 家族で合言葉を決め、困ったときは「#9110」や「188」に相談する
ディープフェイクの技術は今後さらに進化し、見た目だけで見分けるのはますます難しくなります。「本物かどうかを、別の方法で確かめる」習慣を身につけることが、ディープフェイク詐欺から身を守る一番の対策です。
\ AI動画を仕事にするなら。完全無料・オンライン60分 /
デジットの無料カウンセリングを予約するRECOMMEND
この記事を読んだ方へおすすめ
AIスロップ(AI slop)とは?意味・具体例・増えた理由と見分け方【2026年】
SNSやYouTubeで、どこか不自然なAI画像や、中身のない量産動画を見かけることが増えていませんか。こうした「生成AIで大量に作られた低品質なコンテンツ」は、英語圏で「AI slop(AIスロップ)」と呼ばれています…
|AI HACK編集部
AI画像・AIイラストの見分け方|目で確認する7つのポイントと無料ツール【2026年】
SNSで流れてきた写真やイラストを見て、「これってAIで作った画像?」と迷ったことはありませんか。画像生成AIの性能が上がり、ひと目では本物と見分けがつかないAI画像が増えています。AI画像を100%見分ける方法はありま…
|AI HACK編集部
生成AIスクールおすすめ49選|失敗しない選び方と料金・口コミ比較【2026年最新】
生成AIスクールは、ChatGPTやプロンプトエンジニアリングなど最新のAI技術を体系的に学べる教育サービスです。未経験者向けのカリキュラム、給付金対象講座・現役エンジニアによるマンツーマンサポートが特徴です。実践的に学…
|AI HACK編集部


